僕の初体験である!
マツダ・ルーチェ・ハードトップGS。
12Aロータリーで130ps♪
コイツが僕の運転初体験の相方だ。
僕は父なしで生まれた。
母はその後結婚して一時期トーちゃんが出来たが数年で離婚。
んな、訳で当時我が家には自動車がなかった。
まだ女性ドライバーが少ない昭和40年代のことだ。
僕は11歳♪花の小学生である。
日曜日、親戚のオッちゃんが遊びに来た。
土産にケーキを持って来た。
気のいい親戚のオッちゃんは12Aルーチェ乗りだ♪
茶の間に上がって、寛ぎはじめる家族達。
オッちゃんがルーチェのキーを何気なくテレビの台に置いたのを見てしまった。
お〜宝モノがあそこに〜である。
やっちまった!
ウロウロしながら鍵をGET。
ソワソワしながら家を脱出。
ルーチェの待つ空き地へGO!だ。
東京郊外の田舎町。
そこらじゅう空き地だらけ。
自動車を止める場所には苦労しない時代だ。
僕のルーチェ(妄想)は家のすぐ横の空き地にいた。
キョロキョロ周りを見て、誰にも見咎められていないのを確認。
サっと乗り込む。
大興奮状態の僕、なんたって初めて1人で自動車の運転席にいるのだ。
しかもキーを持ってる♪
エンジンかけちゃうもんね!
ブルル〜ンって一発で目覚める12Aロータリー。
まぁ、当時の僕はロータリーもレシプロもよく分かってなかったけど(笑)。
動いちゃおうかな・・・。
やっぱまずいよね〜なんて思ったのは一瞬だった。
サーキットの狼を熟読してる僕だ。
クラッチ&アクセルくらいは知っていた。
そう、知っていただけだ・・・。
クラッチを踏む、ムギュ。
1って書いてある方にギヤレバーを入れる、ガッコン。
アクセルを踏む、グオ〜〜〜ン。
このグオ〜〜ンがやばかった、ベタ踏みだ。
いきなりクラッチを放す僕・・・今考えると超怖い。
んでも、そん時ゃそんなこと知らないからなんでもしちゃう。
ベタ踏みの12Aロータリーはエンストしなかった。
ミートしちゃった。
砂利びきの空き地、ゴーって空転する後輪が砂埃を舞い上げる。
すぐに「ゴン!」である。
ほんの1メートル前にあったブロック塀にルーチェは頭突きした。
グワシャーン!・・・派手な音。
家のすぐ横だ。
すぐに家族&親戚の気のいいオッちゃんはやって来るだろう。
僕は運転席から飛び出して地に土下座し、倒っぷした。
そのまま頭を地面にこすりつけ・・・恐怖の時を待った。
これが僕の自動車運転初体験である♪
みなさんガキンチョの目の届くところにキーを置かないようにしましょう!